棚橋 由賀里
研究テーマ
モロッコにおけるタリーカの形成と発展
研究内容
14世紀末までのモロッコでは、スーフィー(イスラーム神秘主義者)たちは大規模な集団を形成せず、その活動も神との合一を目指す内面的な修行や学問研究に限られていました。しかし、15世紀に入り、ポルトガルの侵攻によってモロッコ社会が危機に陥ると、スーフィーたちのうちからジハードを訴える人々が登場し、彼らはジャズーリー教団と呼ばれるタリーカを形成します。
私はジャズーリー教団のスーフィーたちの残した著作の分析を通じて、モロッコにおいてスーフィーがどのように集団化し、政治的な思想を持つに至ったかを明らかにしようとしています。
マラケシュにある、ジャズーリー教団の開祖 ムハンマド・イブン・スライマーン・ジャズーリーの墓廟